はじめに



 ザンビアでの任期が満了帰国してから既に約15年が経過するが、当時の記憶は一つ一つが強烈に脳裏に焼き付いたままである。

 1986年8月初旬、青年海外協力隊員(昭和61年1次隊)の一員としてアンカレッジを経由してロンドンへ、そして、ロンドンからナイロビを経由してルサカへ向かった。ザンビアは日本から考えると地球の裏側に近い地理的な位置にあり、心理的にはもっと遠いところにあったのだろうと思う。それから約2年間首都ルサカに暮らし、1988年8月下旬に帰国した。途中、交通事故の関係で検査治療のため2ヶ月あまり高輪の病院でも暮らした。

 その後、コンサルタント会社に職を得てODA関係の職に就き、東南アジア、、中南米、中近東、東ヨーロッパへは度々出張したが、サブサハラへは訪れていない。縁あり、今私はロンドンに暮らしているが、アフリカ出身の人たちを見かけるたびにザンビアでのことが連想される。

 南部アフリカの大地、ザンビアの首都ルサカで暮らした20代中ごろから後半へかけての2年間、あのころはいったい自分にとって何だったのだろうか?過去の軌跡を辿ることは単にノスタルジーに浸っているだけなのだろうか?何れにしても記憶があるうちに文字として残しておきたいと思い、気の向くままその記憶を頼りに書き始めることにした。今が丁度その頃を冷静に見られるのかもしれない。

 ”ザンビアあれこれ”は、ルサカで過ごした2年間に私が経験したことや見聞きしたことなどを、私の目を通して感じたことを記したものです。

 当時のルサカでの生活、ザンビアの人々、ザンビアの情勢などを知る上では読む価値があるかもしれませんが、それ以外では個人的な趣味を除いて特にこれといった酒肴があるわけではありません。しかし、こういう生活があったということはご理解いただけると思います。

 任期中、赴任地であるルサカから何度と地方へ、また、任国外旅行や帰路変更で訪れた近隣の東アフリカや南部アフリカ諸国についても写真を掲載し当時の印象を記しています。

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November 2002
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